第十一回センチメンタル・スケッチ・ジャーニー
シシリア〜イタリア〜北イタリア ヴェネチア
癒しのザッテレ河岸

 


ヴェネチアでも、観光地を離れたザッテレ河岸。

ここに『インクラビリ(「不治の病人」の意味)の小広場』

と呼ばれる一画がある。つまり、梅毒にかかった娼婦を

収容した病院があったとされるところである。

須賀敦子さんの小説には、社会の底辺にいる娼婦やゲットー

に暮らす人々のことがよくでてくる。

いわゆる路地裏住民である。

その人達のことを祈るような気持ちで優しく描く心情が

読者になぜか癒しを与えてくれる。

この河岸でひとり画材を拡げ、様々なことを追想しながら

絵を描くひとときは、私にとってもまさに静かに

癒されるひとときであった。