第二回センチメンタル・スケッチ・ジャーニー
 ヴェトナムの夢 〜
 
阮王朝の王宮


 
「大門を抜けると紫禁城が見えますよ!」とガイドさんの声。
 その大門の入口にも「午門」と漢字で刻まれた大きい額が掲げられている。
 大門を潜り抜けると、本当に北京の紫禁城のような王宮が広大な敷地の中に建っていた。
だがここは、まぎれもなくヴェトナムの東海岸の古都フエである。

 フエは、1802年から1945年までヴェトナムの首都であった。日本で言えば、
江戸末期から昭和20年までの約150年間である。
 阮(グェン)王朝を開いたのが阮福映(グェン・フック・アイン)である。
日本であれば、ちょうど江戸幕府を開いた徳川家康にあたる。
フエを首都に定め、国名を越南とし、その宮殿を紫禁城に模して建て、
自らを中国の皇帝になぞらえたのである。
 古中代、中国周辺の国はヴェトナムに限らずどの国も(日本も勿論)、
中国を一方で目標としながら、同時に相違点も意識し近代に至ったのである。